Soccer D.B. BLOG

過去10年の昇格チームをスタイル分けし、翌年のJ1での成績との関連性を調べた

2015/03/04 12:07:00

小難しいタイトルの中、アクセスして頂きありがとうございます(笑) どうもタイトル付けは苦手。
これまでJ2からJ1にはさまざまなチームが昇格しました。簡単に書くと攻撃的なチームだったり守備的なチームだったり。そして翌年、J1に定着したチームもあれば1年で降格したチームもあります。J2でのチームのスタイルと翌年のJ1での結果に何か関連性があるのかどうか、J2での平均得点、平均シュート数、平均失点、平均被シュートなどを使って調べてみました。

まずは攻撃要素から。ここ10年のJ2で、J1に昇格したチームの平均得点と平均シュート数をグラフにまとめました。その翌年のJ1で残留に成功できたかどうかを色で表しています。

昇格年のデータと翌年

攻撃

いくつかポイントがあります。まずJ2で平均得点1.4以下だったチームは全部1年降格になってますね。となると今季の山形も?!ってなりますが、山形の場合はこの中でもシュートを打てているので、シュートに至る攻撃の形はあったと言えます。あと昨季の山形の場合、3バック固定前後で内容が違っていたので、1年平均だと見えづらいですね。

次の注目点は真ん中の集団。平均得点1.8、平均シュート12辺りのチームです。ここにいる1年降格組のうち、05年の福岡、07年の東京V、10年の福岡の3つは、この年に最も点を取った選手が来季(シーズン中も含め)移籍しています(グラウシオ、フッキ、永里)。データ的にこの位置にいるということは元々攻撃力があったチームというわけではないと思いますので、各チームのトップスコアラーに頼ってしまっていた状況が考えられますね。特に東京Vはフッキという強烈な「個」がいたのでしょうがない点もあるのですが。

シュート数14付近から上はほぼ残留できています。唯一できなかった05年の京都は、この後に触れる守備側に問題がありました。

昇格年のデータと翌年

守備

こちらは平均失点と平均被シュート数です。少ない方がいいので、攻撃側と違い「左下がいい」というグラフになります。

攻撃の最後に挙げた05年の京都は被シュートが多め。被シュート11.5以上の5チームは、失点がそこまで多いわけでもないのですがすべて1年降格になっていますね。被シュートが多くて失点が少ないケースとして考えられるのは、GKがセーブしまくっているか、相手がシュートを外しているという2点が大きな要因だと思います。06年の横浜FCは現柏の菅野が正GKで活躍していた記憶があります。彼の功績はもちろん讃えられるものですが、チームとして守備力が上がらないとJ1には生き残れないというところでしょうか。

最後にこの攻撃のデータ(得点、シュート)と守備のデータ(失点、被シュート)をそれぞれ偏差値にしてグラフにしました。

昇格年の偏差値と翌年

攻守

攻守それぞれのグラフでもちょっと気になっていましたが、甲府というのは不思議なクラブで、データ上悪かった05年の甲府は翌年残留に成功し、そこそこ良かった10年の甲府は翌年1年降格という結果になっていますね。両方ともJ2時代のエースがそれぞれ残留しJ1を戦っています(05→06はバレー、10→11はハーフナー)。05年から06年への選手の顔ぶれの変化を見ると、林健太郎、ビジュといった中盤の補強が効いたのではないでしょうか。逆に10年から11年は監督交代により迷走してしまった感が否めません。当たり前な話になりますが、J2時代に基盤をしっかり作り、オフ期間に弱点を補える補強ができるかどうかがポイントですね。

J2で攻守ともに圧倒したチームはJ1に定着するチームになっていますが、果たして湘南はどうなるのか。そして、今回のデータではなんとも言い難い微妙なポジションにいる山形と松本は果たして残留できるのか。そしてそして、タレント揃いと言われている今年のJ2上位勢は、このデータ上にどう乗っかるのか、楽しみですね。

Soccer D.B. 2014 J2 シュートデータ

Soccer D.B. ヴァンフォーレ甲府 年度別 選手出場記録一覧
2005年 2006年 2010年 2011年

最新記事

記事画像
2020/04/05 12:26:00 SoccerD.B.を作った理由
記事画像
2019/02/21 12:17:16 2019Jリーグ主審リスト

掲載年別

タグ別