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主力選手の変動と成績変化について

2016/01/22 10:45:00

このオフもいろいろありましたがそのうちの一つとしてジェフ千葉の選手の多くが入れ替わったということがありました。そこで思いついたのが今回のネタ。主力ががっつり変わったチームの成績はどうなったのか、という点についてここ10年くらいのJ1、J2で調べてみました。

まず定義について。「主力選手」という表現は曖昧なものなのでデータを出す上でルールが必要になります。いろいろな案がありましたが、今回はリーグ戦全体の試合時間の3分の1以上出場している選手を対象にしました。もちろん、本来は主力だけど負傷でほとんど出られなかった、というケースもあったりしますが、そうなると調べるのが大変になりますので。

そしてその主力選手が翌年もいるかどうかという点ですが、弊サイトでは移籍情報はアーカイブしていないので、シンプルに翌年同じチームで出場しているかどうか、で判断しました。大きなケガで1年欠場するケースは少ないと思われるのでだいたいは移籍した選手に該当すると思います。

成績変化については、10年前からだと試合数の違いもあるので平均勝ち点の差分を使います。
では、早速ここ10年のJ2チームの傾向を見てみましょう。

J2->J2のデータ

J2->J2のデータ

大きな矢印で示している通り、右に行けば行くほど前年の主力選手がいなくなっており、上下は成績変化を表しています。最も上にいる10→11北九州は2010年の主力が3割ほど抜け成績が大きく向上したチーム、という結果によりグラフ上あの位置にいます。2010年の勝利数が1だった北九州は2011年三浦泰年監督のもとで大きく変貌しましたね。逆に同じ3割でも、成績が大きく落ちたのが2015年の大分になります。

5割くらいまでの主力抜けであれば、チームやその時の状況によって結果はバラバラとなっていますが、5割を超えると徐々に成績が上がった事例が減っています。5割以上で昇格を果たしたチームは10→11の札幌だけ(ちょうど50%で平均勝ち点+0.51)でした。

そして話題の千葉ですが、主力選手のうち2016年に残ったのは3選手だけでした。割合的には70%台後半です。そして、22チームとなってからのシーズン2位(自動昇格)の平均勝ち点と、2015年の千葉の平均勝ち点の差分から見ると、ちょうどグラフ画像の黄色い大きめの丸が、ジェフが目指すところになります。あの辺りは周りにデータがありません。つまりここ10年で前例がないということですね。新しいケースが生まれるのか注目です。

ほか、J1の事例や昇格・降格した場合のデータも紹介します。まずはJ1から。

J1->J1のデータ

J1->J1のデータ

J1になると大きく選手が変わるケースも少なく、半分がいなくなった10→11の清水の変動率が最大でした。ただ、やはり変動率が大きいと成績が伸びるケースは少ないですね。変動率高めのところで新潟の名前が2つあります。新しい選手が出てきて活躍し他のチームへ移籍するという例が多い新潟ですが、そういう中で崩れずに成績を保っているのは凄いですね。このグラフだと変動率云々より、成績上位だったのに突然下降した大阪勢が気になってしまいますが…。

続いて、J2からJ1へ昇格したチーム。当然J1に上がればJ2時代のような勝ち点の奪い方はできなくなるので、縦軸はマイナス値となります。

J2->J1のデータ

J2->J1のデータ

ポジティブにシーズンを終えているので選手の入れ替わりは少ないです。ただ成績に関しては変動率と全く関係がないことが分かります。昇格即優勝をした10→11の柏、13→14のG大阪はほぼJ2時の主力を残しました。一方、05→06の京都、09→10の湘南は残してもうまくいかなかったという結果です。

最後にJ1からJ2へ降格したチームです。こちらは昇格とは逆に縦軸はプラスベースとなります。

J1->J2のデータ

J1->J2のデータ

やはり離れる選手が多くなってしまうので変動率は高いです。ほとんど残った12→13のG大阪は異例でした。変動率が高く昇格に成功したのは05→06の柏と同シーズンの神戸。クラブ自体が危機に陥っていた09→10の大分は主力の8割の選手がいなくなりました。

主力の入れ替わりはクラブチームの意図があるものもあれば、他のオファーにより動くケースもあります。どちらかというと後者の方が多いか。
2016年はどのような結果になるでしょうね。

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