データメモ コパアメリカ メキシコvsチリ --殴り合いからのオーバーキル--
コパアメリカとEUROが同時開催される中で当然Jリーグも行われているという過酷な日々が続いております。コパアメリカの方はトーナメントに入り準々決勝が終わりました。その準々決勝から簡単なメキシコvsチリのレビューを残しておこうと思います。準ホームのような雰囲気で戦っているメキシコは今大会の中でも面白い試合を繰り広げており、優勝もいけそうな雰囲気。一方昨年の南米覇者であるチリはここまで勝ち上がったものの、かつてのようなクオリティはないかなという印象でした。この試合が始まる前までは…。
今回のデータは南米サッカー連盟のウェブサイトにあるものを使っていきます。
スタメンはこちら。左がメキシコ、右チリです。
スタメン
メキシコはマルケスが1戦目2戦目とスタメンでしたが、以降はベンチスタート。中継によるとお子さんが生まれて一回帰っていたようです。チリの方は右サイドバックのイスラが出場停止でフエンサリダが入りました。ゴールを現すボールマークがおかしなことになっていますが、話を続けます(笑)
事前に注目していたのは、
①どちらがボールを支配するか
②支配されているときの守備方法
③これまでのメキシコの特徴であったサイドに張った両ウイングからの攻撃シーンが生まれるかどうか
という3点。下の表はこれまでの両チームの支配率ですが、常に相手を大きく上回る試合が続きました。
これまでのボール支配率
メキシコのフォーメーションとパスの上位の組み合わせを現した図です。
メキシコのフォーメーションとパス
実際にはメキシコは左18と右20のダブルボランチで16がトップ下のような形ですので、全体的には左寄りです。
続いてチリの同データ。
チリのフォーメーションとパス
7と11は逆ですが、チリの3トップは試合の中でポジションを変えることが多いです。サイドからFWへという形が目立ちます。
ボール支配はチリが上回りました。結果的に支配率は終了時点でメキシコ40%-60%チリに。お互いにボールを持った選手を囲い込み奪い取るような守備をしていましたが、メキシコはその状況下で進軍することができず、当然得意のサイドも取れません。逆にチリはその状況でもうまくボールを回せたことによりペースを握りました。
大きな差があった点としては、ボールを持ってない選手の動き方とその選手へのディフェンスの部分かと思います。ここまでのメキシコは守備に関してはそこまでいいわけではなく、これまでの試合でも決定的なチャンスを相手に与えていました。この試合に関して言えば、メキシコ側があまりにもボールに食らい付く守備をしていたため、チリはメキシコの選手間のスペースを利用した配球をすることでチャンスを作っていました。
チリの1点目のシーンはサンチェスがメキシコDFの裏を斜めに走るところへ、メデルがすばらしいロングパスを送ったところから生まれています。メデルはなんとこの試合で全選手にパスを送りました。ボランチならともかくセンターバックで、それもパス32本で全員に送ったのは結構凄いのではないでしょうか。
メデルのパス
1点が入った時点ではたいして大きな変化はありませんでしたが、前半終盤に2点目が入ったことでメキシコはハーフタイムに2人交代します。ほとんどいい場面がなかった右ウイングのロサーノと中盤で一番バランスの取れるドゥエニャスを下げ、アタッカーを投入。3列目にはグアルダードとエレーラが並ぶ形になりました。
さてここから反撃というところでしたがチリのプレスは変わらずメキシコは早々に失点し混乱。あれよあれよという間に失点を重ねて終わってみれば7点。
下の図はシュート位置で緑がメキシコ、赤がチリなのですが、崩し切れないメキシコは遠目から打つのが精いっぱい。ペナルティエリアにあるシュートも大差がついた後のものでした。
シュート
ということでまさかの0-7で敗退となったメキシコ。最初は軽く殴り合うような試合でしたが、足元がお留守になっているメキシコに気付いたチリがローキックで相手の体勢を崩し、その後上半身をフルボッコにしたような試合でした(適当)
オソリオ監督のサッカーをもうちょっと見てみたかったのですが、解任されてしまうかもしれませんね。
逆にチリは久しぶりにらしさを見せてくれて安心しました。次のコロンビア戦が楽しみです。