Soccer D.B. BLOG

ACLのOPTAデータの見方

2017/03/14 09:00:00

AFCチャンピオンズリーグの公式サイトでOptaデータが見れるようになりました。
http://www.the-afc.com/afc-champions-league-2017-match-centre
オフィシャルがOptaデータを使用するケースは珍しいことではないのですが、大陸連盟レベルの公式にしては結構な量のデータが公開されていたので本記事にてまとめてみました。今週もACLがありますので気になる方は使って見ると新しい発見があるかもしれません。

まずはOptaデータの定義を把握しておく必要があると思います。ここは一つずつ説明すると長くなるのでこちらのSquawkaやOptaのデータ説明ページをご覧ください(英語)。
http://www.squawka.com/football-stats-definitions
http://optasports.com/news-area/blog-optas-event-definitions/mbNewsContentTemplate

「データはウソをつかない」的なことを言う方もたまにいますが、サッカーにおけるデータは「曖昧な日本語+数値」で成り立っています。例えば「パス」と「クロス」の境界線はどこかという問いに対して明確な答えがありません。一番分かりやすい「シュート」ですら同じ試合でもデータの生成元によって変わります。なので、データの項目名に対してどうカウントしているのかを知っておくことはデータを利用する上でとても重要なことで、そこが十分ではないまま使用すると誤った解釈となる可能性があります。Optaには「チャンスクリエイト」というデータがあり、名前だけ見ればチャンスを作った数と思えますが、実際はアシスト+キーパス(シュートした選手へのパス)で構成されています。なのでチャンスとなるようないいパスだったけどシュートを打てなかった場合カウントされません。ちなみにこのキーパスもデータ会社によって定義が違ったりします。

では本題へ。デスクトップページで紹介していきますのでスマートフォンサイズだと見え方が異なるかと思います。ご留意ください。ACLのOptaデータはメニューのMATCH CENTREから見ることができます。今回は各試合単体のデータについてのみ紹介します。試合結果群の中から試合を選択するとその試合のデータページへ飛びます。

データはほぼリアルタイムで更新されます。フォーメーションは試合開始時は違うこともありますがだいたい数分で試合に合ったものへ修正されます。フォーメーションにある選手背番号を押すと該当選手の簡単なスタッツが出てきます。

HEATMAPはボールタッチしたエリアを表現しています。デフォルトだと2チーム全選手のデータが出ている状態なのであまり意味はないです。チーム、選手のチェックボックスで対象を選ぶことができます。サンプル画像は浦和vsソウルです。

heatmap

下のボタンやバーをいじることで前後半や時間を選択することも可能です。

heatmap

ここのボックスはヒートマップ以外にもいろんなデータへ切り替えることができます。HEATMAPと書いてあるところを押すと選択肢が出てきます。

切替

AVERAGE POSITIONは各選手のプレーの平均位置が出てきます。あくまでボールタッチベースなのでプレーがなければ出てきません。相手がボールを持っている時のライン位置的なデータは見れません。

average

ATTACKING THIRDSはどのサイド、もしくは中央を使っているのかの比率です。

attacking

次のCHALKBOARDはチーム、選手、時間、プレー、エリアを選んで、条件に合うデータがピッチに表示されます。一番使いがいのある機能です。浦和のシュートを選ぶとこんな感じ。

board

DISTRIBUTIONはパス系全体です。西川の成功パスを選択するとこんな感じ。

board

このチョークボードも時間帯指定が可能です。ピッチ図にあるプレーを選択すると何分何秒のプレーだったか表示されます。

GOAL REPLAYはリストボックスからゴールやシュートを選ぶと、一連の攻撃の流れが見れるもの。シュートに辿り着くまでに誰がどこでパス、もしくはドリブルをしたのかが分かります。ドリブルや空中戦など、相手が生じるものは相手選手も表示されるようです。ただボールキープ系は始点と終点しか取っていないようで、実際このシーンだと興梠が斜めに抜け出した後、ちょっとずつ左によりながらクロスをしたのですが、ここだと一直線になってしまいます。

replay

参考)浦和vsソウルのハイライト

これを見るとたまにデータミスを発見します。例えば次に載せてるのはソウル戦の宇賀神のゴールまでの流れですが、左サイドのパスが9.武藤になっちゃってます。実際は宇賀神でこのパスの後スプリントしてペナルティエリアまで行きました。ゴールまでの流れはTwitterのOptaJiro氏もたまに呟いていますが、そこでもたまに間違いがあったのでリアルタイムでのデータ取得の限界なのかもしれませんね。世界中の試合のデータを取っているのでこの辺りは仕方がないかなと。僕のサイトもデータチェックに時間をかけるよりデータ範囲を増やす方を優先しているので。

replay

PASSING COMBINATIONは誰から誰へパスを通したかが見れます。パスの出した選手、パスを受けた選手を選ぶとそのパスがピッチ図に現れます。表示されるのは選手に渡ったパスなので、狙ったけど通らなかったパスは入っていません。

pass

他、チーム内で誰から誰へのパスが多かったかも見れます。

pass

MATCH STATSで各データの数値が見れます。4つのタブに分かれており、支配率やデュエル勝率を見るならGENERAL PLAYを押せば出てきます。

stats

最後にPLAYER COMPARISONでは選手を選んで比較ができます。単純に選手のスタッツを把握するという意味でも使えます。

compare

このように試合ページだけでもいろいろ見ることができます。自分で時間などを選べるのはいいですね。試合を振り返る際に使ってみてはどうでしょうか。

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