SoccerD.B.を作った理由
COVID-19の影響により厳しい状況が続いていますが、表題について一筆します。
弊サイトは2013年12月31日23:00過ぎにサイトをオープンしましたが、ドメインを取得したのは2014年1月2日ということで2014年から始動としています。協力している方は何名かいらっしゃいますが、根幹であるデータ生成やサイト制作、運営は一人でやっています。
これまでの6年間、SoccerD.B.管理人として様々な方にお会いできる機会がありましたが、「なぜこのサイトを作ったのか」「どうやって作っているのか」という質問をよく受けました。その前者の内容について本記事に書き残しておこうと思います。

影響を受けたサイト
サッカーにハマる過程については過去に記事にしているのでここでは省略します。
サッカーにハマるまでの過程のお話
ハマったタイミング(00年代前半)で最もよく見ていたウェブサイトは「ワールドカップのデータベース」でした。サッカーといえばやはりワールドカップ。過去のワールドカップがどうだったかをすぐに調べられましたし、この頃は海外情報の翻訳記事も少なかったので、現時点の海外の代表選手が分かるサイトとしても重宝していました。使う際に選手名がリンクになってその選手の情報ページに飛べたらいいのになと思っていましたが、これは後に自分のサイトで体現されます。
EURO2004辺りから公式サイトが発展していき、uefa.comやfifa.comでは過去の大会の出場記録などがすぐ分かるようになりました。ただこの当時はそれぞれが管轄している大会の記録しか載せていませんでしたので、fifaとuefaが合体したデータベースサイトが見たいと思うようになりました。それが2006年くらいの頃でしょうか。
今では全世界を対象とした出場記録系データベースサイトはありふれていますね。自分が一番使っているのはSoccerWayです。その前はLiveScoreで世界の試合をチェックしていました。毎日どこかしらの国でサッカーの試合が組まれていることに驚きましたが、今の状況では延期の表示が並んでいて寂しい限りです。
天皇杯軽視
ここからは実際にサイトを作るまでの過程のお話。上で書いた通り2006年時点だと海外サッカーを見ることが多かったため、見たいと思っていたデータベースも海外サッカーでしたが、考え方が変わるきっかけとなったのが天皇杯です。もともとテレビ観戦型だった自分が現地に行くようになったキッカケも天皇杯で、特にJFL上位vsJ2のカードを良く観戦しました。自分の場合、スポーツのテレビ観戦の入りは野球や相撲だったため、普段戦うことのない相手と戦うというだけでワクワクしたものです。
ところがこの天皇杯、Jリーグのチームが出ている大会にも関わらず大会序盤の扱いが低いのなんの。大会主催者や試合の主管が違うことによる影響なのですが、当時のJリーグの公式サイトでは天皇杯についてほとんど触れられることはなく、クラブ公式での扱いもリーグ戦に比べ落ちるものでした。特殊な対戦カードが多く組まれているのになんともったいないことか。天皇杯もJリーグと同列で扱ってほしいと思うようになり、一つのリーグ内に留まらず世界中で様々なプレーヤーが試合を通して交差することこそサッカーの魅力なのではと思うようになりました。

涼宮ハルヒの憂鬱
人生において何らかのジャンルのスキルを会得する(した)際に、そのジャンル以外から知見や後押しをもらうことはそう珍しいことではないと思います。アニメ、マンガ系は普通に少年ジャンプを見て育った人間なのですが、2008年くらいに色々な評判からこの作品に出会いました。放送自体は2006年でしたがyoutubeに違法アップされているもので見てしまいました。その後、原作全巻、BDBox、映画BD、サントラ、ゲーム2本買っているので許して角川さん。
で、このアニメの何がこのサイトに影響したかと言うと、1話でヒロインの涼宮ハルヒが「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」と高らかに宣言したシーンです。ストーリーは省略しますが、流れとしては面白い部を探したが見つからず不貞腐れてたところで、主人公のキョンのセリフを経て自分で作ればいいことに気付いたっていう展開です。
学園モノにおいて1話で新しい部を作るのはあるあるパターンですが、自分の中ではこのくだりは結構衝撃でして。これまでこんなサイトがあればいいのにって思っていたところから自分で作るという選択肢もあるということに気付かさせてくれました。深夜アニメはこの作品をキッカケに京都アニメーション制作のものを中心に見るようになりました。なので、昨年の事件が自分にとって大きなショックであったことは言うまでもありません。
自分で作るという選択肢を得たわけですが、当時のスキルはHTMLがちょっと分かるくらいのレベルでデータベースサイトなんてとても作れずしばらくストップ。ただ2009年に仕事でムカつくことがあり改めてサイトを作ることを決意。余った時間でウェブの知識習得と経験値を積み、2011年くらいから本格的に制作を開始しました。
「ないんだったら自分で作る」という考え方はこのサイトに限らず仕事でも生きており、企画とプログラミングスキルの習得がセットになって自身の成長にもつながりました。原作者の谷川流先生にも感謝していますが、続きを書いて頂けると大変嬉しいです…。
空白だった大学サッカー
このサイトを運営していてお礼を頂くことがあるのですが、その多くは高校、ユース、大学サッカーの記録をまとめている点で、このサイトの個性の一つかと思います。が、実はこれらをサイトに加えると決めたのは作り始めた後でした。テレビ観戦が中心だった自分にとって、Jリーグ以外の国内サッカーは代表戦や天皇杯以外だと高校選手権しかありませんでした。中継がないところですと、JFLはたまに結果を追っていたり、ユースはトップチームに直接昇格したりする時に存在を認知できていましたが、正直なところ大学サッカーは完全に興味範囲外でした。失礼ながら高校サッカーで活躍した選手で大学に行った選手は自分の中で消えた扱いになっていたほど。
幸運にも当時大学サッカーに詳しい知人がいまして、「この選手とあの選手は大学の時のチームメイト」という話をよくしてくれました。当時は話半分で聞いていましたが、これをデータベース化したら面白いなと思い、サイトの制作とともに勉強しました。有名どころになると後にプロで活躍する選手が多いので、大学の記録を追うのは楽しかったです。サイト開設タイミングくらいには現地で試合を見るようになり、今では大学サッカー観戦なしでは生きられない体になりました。大学サッカーに出会えたのはこのサイトを作ったおかげですね。
やりたいこと
サイト制作における苦労話や運営の話はまたの機会に。
ある程度やりたいことはできたかと思いますが、さらに大会範囲を広げたい気持ちはあり、ターゲットは地域リーグやプリンスリーグになると思います。ただカテゴリーが下がるとサイトのベースとなる公式記録の精度も落ちるので、そこの精査をする必要がありますね。
以前ブログに試合のプレーに関わるデータは簡単に取れるという話を書き、実践しようと思っていたのですが、スプライザさんの影響から始まりブロガーの皆様自身がデータを取ることがかなり増えたので、もう自分はいいかなと思っています(笑)。
参考:タグ付け(タギング)型データ取得のメリットと課題
他にはBIツールやAPIによるデータ公開ですね。そこから多くの人が活用できれば面白いかなと思っています。まぁプレーに関わるデータはほとんどないので、分析的な使い方はできないのですが。
見やすいサイトにするという点においてはスマホ対応は必須なのですが、今のところやらない可能性が高いです。今のこのサイトは00年代の個人サイト感満載ですが、もともと00年代に思い付いたということと、訪れた人がぱっと見で個人サイトと分かるようにしておきたいという気持ちがありますので。あとデータベースサイトはただでさえどこに何があるのか分からないのに、リニューアルすると既存ユーザーまで迷ってしまうハードルがあります。サイトの設計やテストでかなり時間が取られてしまうので現実的には厳しいという理由です。
サイトが終わる時
個人サイトは確実に終わりが来ます。一人で作ってる以上、それは避けられません。人生が終われば止まりますし、生きていても作業ができない体になれば終わります。そういったヘヴィな展開でなくても、単に自分の中での時間の価値が変われば終わる可能性があります。このデータベースは作るのにかなり時間をかけていますから、仕事が忙しくなって時間が取れなくなると厳しいです。
「一番SoccerD.B.を見たいのは自分であり、自分のためにSoccerD.B.を運営している」といっても過言ではないので、誰かもしくは企業がSoccerD.B.発展版のサイトを作り、そこに自分が見たいものがあれば運営する理由は特になくなりますので、その場合もやめるでしょう。これは結構ポジティブに捉えていまして、過去にTwitterにて高校生くらいの方が自分もこういうサイトを作れるようになりたい的なリプライを頂いたことがありました。このサイトを経てそういった方が増え、実際にウェブサイトがオープンしたら自分としても一つ役割を終えた満足感に浸れるでしょう。
Twitterの自分のアカウントは一足早くやめるかもしれません。ブログはもうほとんど終わっているようなものですが、まだいくつかネタは一応あるので、そのうち書ければ。
何にせよ、自分で判断できる未来を作るためには生きなければならず、現在の世界の苦境を乗り越える必要があります。再び試合の記録を更新する日が来るよう引きこもり、細かいデータミスの修正作業をすることにします…。