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EURO予選の成績から見る出場国増加の影響

2015/12/11 07:15:00

UEFA欧州選手権(以下EURO)の予選も終わり、12日土曜日の深夜(日本時間13日午前2時)にグループ分けの抽選会が行われます。まず今回は参加国が24になったことが大きな注目点となるでしょう。どの国際大会もビジネス的な意味で大会の価値が上がるとともに参加チームは増える傾向にあります。試合数の増加、また参加チームが増え「当事者」が増えることで関心がさらに高まるのは間違いないですが、一方で大会のレベルが下がるという声が挙がるのはいつものパターンですね。今回はEUROの予選結果から、24チームに増えたことでどういうチームが影響を受け本大会に出られるようになったのかを簡単にまとめてみました。

下の表はこの4大会の予選突破国の予選成績をまとめたものです。平均勝ち点と平均得点、平均失点、過去3大会の分は最終成績もザックリと載せました。プレーオフも混ぜているのでグループ順位表とは若干異なります。

予選突破チームの成績

成績一覧

予選突破のルールは
EURO2004予選…10グループ・首位突破・2位プレーオフ
EURO2008予選…7グループ・2位以内突破
EURO2012予選…9グループ・首位突破・2位中1位突破、他の2位でプレーオフ
EURO2016予選…9グループ・2位以内突破・3位中1位突破、他の3位でプレーオフ
という感じでした。

成績を見ると、EURO2004予選は成績がかなり分散。接戦だったグループと差が開いたグループがありました。2008予選は密集。グループが少なく1グループ当たりのチーム数が多かったので、圧倒した成績を残すのが難しかった影響でしょう。2012予選は平均勝ち点2.25以上のチームが最も多く、下位との差が生まれやすい予選に。

そして2012予選と形式が近く予選突破チームが増えた2016予選は平均勝ち点2.2以下に多く集まりました。前回大会予選に比べ予選敗退した下位チームもポイントを得たことで接戦となったグループが多くなりました。平均勝ち点2未満チームは7チーム。これまではほんの数チームだったエリアなので、この辺りは参加国増加の影響で突破できたチームと言えます。最も平均勝ち点が低いアルバニアですが、セルビアvsアルバニア戦が没収試合となったことで3ポイント積み上げ、3位デンマークよりも上に来ました。デンマークとしてはやり切れない感じですが、デンマークも対アルバニア戦は2引き分けなのでしょうがないですね。

予選突破チームの平均得点と平均失点を下表のように分布させてみました。

得失点分布

平均得点分布 平均失点分布

これを見ると、失点の方の分布の仕方はあまり変わっていませんが、得点の方は2016予選だけ平均が低いチームも突破できていることが分かります。これまでは失点を抑えつつ勝つための得点力も必要でしたが、2016予選は得点はそこまで取れなくても失点を抑え少しでもポイントを稼げれば突破できるという傾向ですね。ルーマニアやハンガリーがこのパターン。あのグループはポット1はギリシャな上にギリシャがこけてパワーバランスがおかしくなったグループですが…。今大会予選は中継が多かった方ですがこのグループだけどこも中継されていないので、どれくらいやれるのか謎ですね。

とまぁ簡単にまとめてみましたが、もちろん本大会は短期間の一発勝負なので、予選の成績に対してどうなるかは未知数です。過去3大会を見ても予選で平均勝ち点が2から2.2の間の中から必ずベスト4に残るチームが現れています。間違いなくダークホース的なチームが出てくるのではないかと思っています。大会形式が変わると不安な面もありますが、面白くなってもらえれば言うことはないですね。

UEFA 欧州選手権予選
EURO2004予選以降の全試合結果、出場選手、ランキングなどをまとめています

UEFA 欧州選手権
本大会は84年大会からまとめています

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