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観戦メモ 高円宮杯U-18プレミアリーグ 柏U-18 vs 青森山田高

2016/04/25 21:29:00

日曜日は日立柏サッカー場にて高円宮杯U-18プレミアリーグ・柏レイソルU-18vs青森山田高校の試合を観戦しましたのでこの試合のメモを残しておきます。柏U-18は昨年の最終節以来、青森山田は開幕戦以来の観戦となります。

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柏U-18は開幕戦横浜FMユースに引き分け、次戦で鹿島ユースに勝利。青森山田は流経大柏、大宮ユースを相手に開幕連勝を飾り、互いに良い状態でこの試合を迎えました。それもあって、とても良い試合になりました。

スタメンのフォーメーションをこちら。互いに似たシステムですが戦い方は若干異なります。青森山田は7.郷家友太がFWのようなポジションを取ることもありました。

フォーメーション

フォーメーション

開幕戦の時から青森山田で気になっているのは9.バスケス・バイロンという選手。1年生ながら開幕戦スタメンでした。ポジションは2列目の左サイド。左利きの選手でボールを持った時は何かやってくれそうな感があります。ただ開幕戦の時は守備への切り替えが遅くポジショニングが不安定で、この試合でも開始早々にGK1.廣末陸から切り替えの遅さを指摘されていました。

開幕戦の相手だった流経大柏も右サイドからの攻撃が多かったのですが、この柏U-18も右サイドから攻略するシーンが目立ちました。左SBの5.三国スティビアエブスもちょっと守備面に不安があるので、青森山田の左サイドの守備は課題ですね。現時点ならバイロンよりいい選手はいると思うのですが、今後のことも考えてあえて経験を積ませているのでしょうか。結局前半の終盤にバイロンを下げ、右にいた8.嵯峨理久が左へ行き、代わって入った15.瀬尾純基が右へ行きました。嵯峨は相手のサイドバックの突破をかなり警戒しているようで右サイドにいた時も嵯峨が下がって5バックで守るような時間もありました。

柏U-18の右サイド攻撃は2.坂本涼斗、6.鬼島和希、14.中村陸の連係が目立ちました。個人的に一番気になったのは右SBの坂本。ボールコントロールも上手く突破力があり、青森山田側はかなり対応に苦戦しました。インサイドよりに入ってプレーするシーンもあったので、バイロンじゃなくとも守るのは難しいかもしれません。右ウイングの中村陸は左利きの選手でCKはすべて担当していたかと思います。青森山田の方が高さはあるので跳ね返されることがほとんどでしたが、そのうちの1回は混戦から先制点につながっています。あと柏U-18の右サイド攻撃といえば、オフサイドになってしまいましたが右CBの3.城和隼颯から坂本へのロングスルーパスは見事でした。

青森山田の方ですが、先制される前はいくつか連続でチャンスを迎えていました。全体的には青森山田の方がパススピードが速い印象があり、長距離の高速パスがサイドに渡るとだいたいチャンスになっていました。この特徴の代表格が世代別代表に名を連ねるGK廣末ですね。ただ廣末以外の選手も含め、この試合ではロングパスの成功率が低めになったかと思います。

後半早々に右サイドからボールを受けた中村陸がドリブルで狭いところを切り込み、最後は左ウイングの15.大谷京平が押し込んで柏U-18が追加点。ここからしばらく柏U-18が落ち着いてポゼッションしていましたが、青森山田は途中出場で右サイドに入っていた瀬尾を下げ、17.佐々木友を投入。この後から青森山田は右サイド攻撃が増え、セットプレーでチャンスを得てきます。

青森山田のプレースキッカーは10.高橋壱晟。昨年も2年生ながらレギュラーとして活躍した選手でCK、高い位置でのFKともにすべて担当していました。そして、昨年の青森山田といえば原山海里のロングスローが話題となりましたが、彼はもう卒業しており開幕戦でも特にロングスローのシーンはなかったので今年はないと思っていました。がしかし、やっぱり引き継がれていた模様。右サイド深い位置でスローインを得ると、MFの郷家が歩み寄り、見事にGK付近まで投げていました。まだちょっとスピードが足りないかなという印象がありますが、これから経験を積んでいけばかなり武器となるでしょう。彼はロングスロー以外でもレギュラーに定着できる力を感じましたし、まだ2年生というのも大きなメリットです。恐ろしや恐ろしや。

最後にこの試合で2ゴールを決めた柏U-18の9.中村駿太について触れておきます。世代別代表の一人で現在2年生。昨年もプレミアリーグの試合にはいくつか出ており、最終戦では2列目で起用されていましたがこの試合ではトップ起用でした。上背はないですがボールが収まり、重心の低いドリブルを得意としています。そしてこの試合では決定力の高さも見せてくれました。1点目はCKの混戦でこぼれたボールを叩き込んでのゴール。2点目はカウンターからスルーパスを受け、シュートはGKに当たりながらもゴールに流れて行きました。シュートレンジも広く、ミドルシュートも枠内に蹴っています。楽しみなアタッカーです。よくロナウド(元ブラジル代表)に例えられているようですが、僕は若い頃のテベスを思い出しました。
流経大柏戦の青森山田は完勝に近い試合だったのでこのスコアになるとは思いませんでした。球際のところであっさりと柏U-18が勝つシーンが多かったのも少々意外。柏U-18はこれまでのチームからもう一つ上乗せした新しいチームに変貌しそうな予感を感じさせました。現在トップチームを率いている下平監督もユース時代とは一味違うサッカーを試行しているようで、個人的に柏の兄弟ともに注目度が増しています。

スコア上は完敗となった青森山田ですがそこまで悲観的な要素はないと思っています。この敗戦を糧に一回り強くなるでしょう。「化けたらヤバそう」と思わせる選手が多いので、冬の選手権あたりでどうなっているのか楽しみですね。

2016 高円宮杯U-18 プレミアリーグ
柏レイソルU-18のデータページ
青森山田高のデータページ

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