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EURO2016グループステージの傾向(過去大会とのデータ比較)

2016/06/24 07:56:00

EURO2016はグループステージを終え、いよいよ決勝トーナメントが始まります。ここで過去の大会のグループステージと今大会でどのような変化があったのかまとめてみました。

以下のデータを紹介します。
⑴勝ち点の分布と試合の得点差
⑵先制チームの勝率
⑶時間帯別得点
⑷勝利チームのボール支配傾向
⑸勝利チームの走行距離傾向
※過去の大会の範囲はここ20年(1996年大会以降)としました。過去大会も全てグループステージの試合から計算しています。

まず前提として頭に入れておかないといけないのは出場チームが増え、グループが増え、成績によっては3位チームにもトーナメント進出の可能性がある点です。この影響はやはり大きいかと思います。勝ち点を奪うことよりも勝ち点を落とさないことを重要視しており、余程の状況にならない限りリスクのある戦い方は避けている印象があります。

勝点分布

勝ち点分布

最初に紹介するのは勝ち点の分布です。過去の大会は4グループだったのに対し今回は6グループなのですが、3連勝で終えたチームはありませんでした。また3連敗もウクライナのみ。他は特に密集することなく分散しています。

試合の得点差

試合の得点差

試合における得点差を見るとドロー、もしくは1点差で終わったケースが全体の75%で、2000年大会、前回大会と並び最高値となりました。今大会は出場国が増えたわけですが、それでも大差となる試合は増えませんでした。

先制チーム勝率

先制チーム勝率

先制したチームが勝った割合は約72%(一度追い付かれた後勝ち越したケースも含む)。EURO2004の異常に低い数値が目立ってしまいますが、追い付きやすい状況になりやすい方でしょうか。

時間帯別得点

時間帯別得点

時間帯別の得点はWOWOWの中継でも度々触れられていました。もともとサッカーは終盤の15分の得点が多く、15分毎だとたいして過去の大会と変わりません。

ロスタイムの得点

ロスタイムの得点

アディショナルタイムでのゴール数を見ると2008年大会と同じ7ゴールを記録。最後の数分で得る勝ち点が変わった試合が3試合ありました。
試合内容に関わるデータも2つ紹介します。データ収集の都合上、EURO2008以降となります。

ボール支配率

ボール支配率

まずボール支配率。勝ち点3を得たチームのボール支配率を、支配する傾向にあった52%以上と、支配される傾向にあった48%未満とそれ以外(ほぼ僅差)で分けてみました。が、たいした傾向はありませんでした。やはりポゼッションは各チームそれぞれで全体の傾向としては勝敗に関係ないようです。

最後に走行距離。勝ち点3を得たチームの走行距離が相手より2km以上上回ったケース。2km以上下回ったケース。それ以外(ほぼ僅差)で分けてみました。

走行距離の差

走行距離

このデータはわずかながら変化がありました。勝利チームで2km以上走り負けるチームはもともと少なめでしたが、今大会その割合は最も少なくなっており、同じくらいの走行距離か2km以上走り勝つ傾向にあります。

走行距離大会平均

走行距離大会平均

それぞれの大会の試合平均走行距離を見ると、こちらは退場者が少ないにも関わらず前回より3km下がり最も低い数値となりました。これはおそらく最初に書いたリスクをかけてないことも影響しているのではないかと思っています。今大会多くのチームがボールを失った際にすぐ奪いに行くのではなくまずブロックを整える傾向にあったように思います。なので試合における攻撃の回数は下がり、全体の走行距離は落ちたのではないでしょうか。

さていよいよトーナメントとなりますが、本来この手の大会のトーナメントはグループの順位高低から均等に振り分けられているのですが、グループ自体が均衡していたこともあり、本命チームが2位になったグループも出てきました。その条件がうまいこと重なり合い、片方のグループに本命・人気チームが集まる凄いトーナメント表になりました。ここからどんな勝ち上がりのラインが引かれるのでしょうか。

EURO 2016のデータページ

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