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観戦メモ 地域CL ヴィアティン三重vs鈴鹿アンリミテッドFC

2016/11/27 19:15:00

土曜日から全国地域サッカーチャンピオンズリーグにお邪魔しました。その中から日曜のヴィアティン三重vs鈴鹿アンリミテッドの試合についてブログに残しておきます。勝ち点3で迎えたこの一戦、三重県に拠点がある両者のうち勝った方がJFL昇格の権利を得るという試合です。

この試合の前にまず前日の試合についてさっくり振り返ります。

◼︎ヴィアティン三重 0-3 FC今治
1次ラウンドが同じグループでその時の対戦は三重が3-0で勝ちましたが、決勝ラウンドでは逆のスコアに。今治は攻守両面で策が上手くハマりました。三重の攻撃の中心である13.藤牧祥吾には今治の23.斉藤誠治がマンマークで封じ込め、三重の右サイドの守備が弱点と見るや14.長島滉大がドリブルで突っかけ、前半のうちに相手の右サイドバックを退場に追い込みました。今治のビルドアップは23.斉藤を回避する傾向にあったので彼にボールが回るようプレスをかけ奪いどころにするという手もあったかと思いますが、なにせ連日の3連戦ですから無駄に疲労が溜まるのは避けたいところ。0-3と完敗ではありますが、傷は最小限に抑えたという印象です。

◼︎三菱水島 0-3 鈴鹿アンリミテッド
序盤から攻勢だった鈴鹿が早いうちに先制点を奪ったことで自分たちのペースに持って行けたかなと思います。水島はちょっと疲労が残ってそうな雰囲気でしたね。にも関わらず運動量の多いサッカーをしていたので感服しました。いくつかのチャンスを得るも鈴鹿の守備陣が最後まで守り切り勝ち点3を獲得。豪快に3点目を決めた左サイドバックの34.野口遼太は前半にロングシュートをクロスバーに当てていて、とにかく強烈な左足が記憶に残りました。連敗となった水島ですが、試合終了後の一礼でメインスタンドから送られた拍手は、この日の4チーム中最も長かったように思います。

上記を経ての最終戦。スタメンのフォーメーションは下図の通り。三重は4-4-2で6.坂井将吾がシャドー的役割。前日から出場停止を含め3人スタメン変更。鈴鹿はトップ下を置く4-4-2。前日と同じスタメン。

フォーメーション

フォーメーション

序盤、それぞれシュートを1本ずつ打ち主導権を争う最中、先制点を奪ったのは鈴鹿。左サイドのアーリークロスが16.柿本健太(おそらく)に通りドリブルを仕掛け防がれた後の処理でPKをゲット。10.北野純也が落ち着いて左下に流し込みました。ただここからは三重の流れに。サイドから人数をかけて攻撃し、シュート→こぼれ球を拾ってまたシュートというようにゴールへ詰め寄ります。そして前半35分、左サイド7.和波智広のヘッドを6.坂井がワンタッチでつないでパスを受けた13.藤牧が相手DFを抜き冷静にシュートを決めて同点。このゴールでノってきたのか、ここから13.藤牧はGKからの速いロングパスをワンタッチで味方へつなげたり、難しいボールからシュートを放ったりと、三重の攻撃をさらに活性化させます。すると前半43分、右CK8.石川貴啓のクロスをニアですらし浮いたボールを3.加藤秀典が押し込んで逆転に成功します。7.和波がニアに入ってきたのですが、前半28分ごろのCKでは7.和波がファーサイドでヘディングシュートを打っていたので、その辺りのイメージもあって捉えられなかったのかもしれません。ちなみに公式記録の得点経過では7.和波のプレーはなく相手DFのクリアとなっています。

鈴鹿は中盤がひし型になるシステムなのですが、これ守備が結構難しいんですよね。Jでも最近は見てない気がします。28.小澤司の能力を最大限に活かし攻撃のパターンを多く持ちたいのでしょうが、ひし形のサイドの選手に攻守切替の判断スピードと運動量が求められます。連戦でやっているとかなりきついはず。やられやすいのはアンカー脇とサイドのところで、アンカー脇は問題なかったのですが、サイドはやられ気味でした。欧州でもこのシステムをやっているところは今はあまり多くないですが、守る時は2トップが開いてトップ下に1stDFをやらせる4-3-3の守り方を採用しているケースを見ます。

鈴鹿はハーフタイムに選手交代。システムを変えるか人だけを変えるかに注目していましたが後者でした。25.矢野純平のところに8.渋谷亮が入ります。

後半序盤こそ鈴鹿が反撃を見せる雰囲気がありましたがすぐ三重ペースに。後半5分頃にまたも8.石川の右CKから3.加藤が頭で合わせるもポスト。その後も右、左とサイドからの攻撃でゴールを脅かします。三重は後半14分に6.坂井から24.岩崎晃也へ交代。6.坂井も悪くなかったのですが、カウンターの運動量を増やす狙いでしょうか。

そして後半16分。今度は左CKから8.石川がクロス。一回GKが触りますが、ファーサイドで28.太倉坐ドゥグラスが折り返し3.加藤のヘディングがゴールへ吸い込まれ三重が追加点。その後さらに左サイドに流れた24.岩崎のクロスに13.藤牧がワンタッチで合わせて加点。その後三重は前に2人残し守勢をとったため鈴鹿のポゼッションが増えますが、サイドは取れてもシュートには行けず。ラスト5分くらいからようやくシュートで終われるようになったもののゴールには至らず、4-1で三重が勝利を収めました。

これにより三重がJFL昇格の権利を獲得。おめでとうございます!今日の藤牧は凄かった。あと今大会は和波のプレーも久しぶりに見れて嬉しかったです。36歳になりましたが地域CLは6試合フルタイム出場となりました。

試合終了後、鈴鹿のGK岡田明久がポストにもたれ座り込みおそらく泣いているところを小澤が迎えにいくシーンがとても印象的でスタジアム全体が拍手に包まれました。結果は残念でしたが、三重が経験していないこの舞台での敗退が、鈴鹿をより強いチームへと成長させる糧となるよう願っています。

2016 全国地域サッカーチャンピオンズリーグ

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