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02,06,10W杯・ボール支配率と勝敗の関係、支配率ランキング

2014/06/12 05:44:00

ワールドカップのボール支配率(ポゼッション)について。fifa.comには02年大会からマッチレポートにボール支配率が出ています。その数値から支配率と勝敗の関係の変化と、各大会の支配率のランキングをまとめてみました。

まず、各大会のボール支配率51%以上のチームの勝敗をまとめてみました。

ボール支配率51%以上

ボール支配率51%以上

なんと、あまり変化がありませんでした。勝率的には40%台後半。だいたいこの辺りがサッカーの平均と言えるのでしょうか。もうちょっと基準値を上げてみましょう。

ボール支配率55%以上

ボール支配率55%以上

55%以上の勝敗を見ると大きく変化していました。勝率で見ると2002年が36.8%、2006年が48.5%、2010年が59.4%となっています。2010年は優勝したスペインの影響が大きく反映された結果と思いますが、02年大会に比べて、引いて守り切って勝利という試合が減ってきていることが分かりますね。個人的な予想になりますが、今大会はここまでいかないのではないかと思っています。02年と06年の間くらいかな。

次に各大会のポゼッショントップ10を振り返ります。

■2002年大会 メキシコ 支配率:66% 結果:負け [0-2] 相手:アメリカ
アルゼンチン 支配率:65% 結果:分け [1-1] 相手:スウェーデン
アルゼンチン 支配率:64% 結果:負け [0-1] 相手:イングランド
アメリカ 支配率:64% 結果:負け [1-3] 相手:ポーランド
メキシコ 支配率:62% 結果:勝ち [1-0] 相手:クロアチア
メキシコ 支配率:62% 結果:勝ち [2-1] 相手:エクアドル
デンマーク 支配率:62% 結果:負け [0-3] 相手:イングランド
エクアドル 支配率:60% 結果:負け [0-2] 相手:イタリア
メキシコ 支配率:60% 結果:分け [1-1] 相手:イタリア
フランス 支配率:59% 結果:負け [0-1] 相手:セネガル
カメルーン 支配率:59% 結果:勝ち [1-0] 相手:サウジアラビア
日本 支配率:59% 結果:勝ち [2-0] 相手:チュニジア

10位が3試合あったので計12試合。メキシコの名前が目立ちますね。メキシコはベスト16で終わりましたから、全4試合すべて60%以上の支配率を記録したことになります。対戦相手の方を見るとイタリアとイングランドが2試合ずつあり、40%以下の支配率でありながら負けていません。当時の両国はCBが強かったので、その辺りの影響もありそうです。

■2006年大会
コートジボワール 支配率:67% 結果:勝ち [3-2] 相手:セルビアモンテネグロ
スペイン 支配率:65% 結果:勝ち [3-1] 相手:チュニジア
韓国 支配率:64% 結果:勝ち [2-1] 相手:トーゴ
ドイツ 支配率:63% 結果:勝ち [4-2] 相手:コスタリカ
ポルトガル 支配率:63% 結果:勝ち [2-0] 相手:イラン
イングランド 支配率:62% 結果:勝ち [2-0] 相手:トリニダードトバゴ
ドイツ 支配率:62% 結果:勝ち [2-0] 相手:スウェーデン
オランダ 支配率:62% 結果:負け [0-1] 相手:ポルトガル
オランダ 支配率:61% 結果:勝ち [1-0] 相手:セルビアモンテネグロ
スペイン 支配率:61% 結果:負け [1-3] 相手:フランス

前回と変わって60%以上の勝ち試合がかなり増えました。ドイツ、オランダが2試合ずつありますね。全体的に退場者が出た試合が多く、オランダvsポルトガルは計4人出ています。結構面白い入り方をした試合でしたが、退場者がいっぱい出て残念な感じになった記憶が…。

■2010年大会
アルゼンチン 支配率:67% 結果:勝ち [2-0] 相手:ギリシャ
ブラジル 支配率:63% 結果:勝ち [2-1] 相手:北朝鮮
スペイン 支配率:63% 結果:負け [0-1] 相手:スイス
オランダ 支配率:61% 結果:勝ち [1-0] 相手:日本
コートジボワール 支配率:61% 結果:勝ち [3-0] 相手:北朝鮮
ブラジル 支配率:61% 結果:分け [0-0] 相手:ポルトガル
スペイン 支配率:60% 結果:勝ち [1-0] 相手:ポルトガル
スペイン 支配率:60% 結果:勝ち [1-0] 相手:パラグアイ
メキシコ 支配率:59% 結果:負け [0-1] 相手:ウルグアイ
スペイン 支配率:59% 結果:勝ち [2-1] 相手:チリ


予想通り優勝したスペインの試合で半分近く埋まっています。ただし最も支配したスイス戦は逃げ切られて敗戦。ランキングの相手国を見るとポルトガルが2試合入っています。デコが初戦の負傷により欠場となってしまい、カウンター偏重になってしまった影響もあるかと思いますね。

■日本代表
2002 日本vsチュニジア 支配率:59% 結果:勝ち [2-0]
2002 日本vsトルコ 支配率:58% 結果:負け [0-1]
2002 日本vsベルギー 支配率:57% 結果:分け [2-2]
2006 日本vsクロアチア 支配率:55% 結果:分け [0-0]
2002 日本vsロシア 支配率:49% 結果:勝ち [1-0]
2006 日本vsオーストラリア 支配率:48% 結果:負け [1-3]
2010 日本vsカメルーン 支配率:44% 結果:勝ち [1-0]
2010 日本vsデンマーク 支配率:44% 結果:勝ち [3-1]
2010 日本vsパラグアイ 支配率:42% 結果:分け [0-0]
2006 日本vsブラジル 支配率:40% 結果:負け [1-4]
2010 日本vsオランダ 支配率:39% 結果:負け [0-1]

日本代表だけでランキングを作るとこうなりました。かなり明確に分かれています。前回大会は守備重視だったので支配率としては低くなりますが、意図と結果がかみ合ったという意味では問題ないでしょう。一番気になったのは2006年大会のオーストラリア戦でしょうか。当時やっていたサッカーから考えてオーストラリア相手に支配されるというデータは良くないですね。結果としても残念な大会になってしまいましたが。今大会は55%くらいで勝利というのが内容と結果が伴った形かなと思っています。

今大会はどうなるでしょうか?支配率の高低がチームの優劣を決めるわけではもちろんありませんが、世界のサッカー流れというかトレンドを見るにはわかりやすいデータと思っています。fifa.comを始め、各メディアでも見れると思うので注目します。

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