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FIFAランキングとW杯最終成績

2018/06/12 08:11:00

FIFAはほぼ毎月のペースでFIFAランキングという代表チームの強さを表したポイントを更新しており、抽選等で活用されています。FIFAランキングの詳細は省略させて頂きますが、国際Aマッチの結果だけをもとに計算されていますので色々ツッコミどころはあるものの、代表チームの強さを表すものとしては今のところ一番メジャーなランキングであり、FIFA自身も精度を上げるために地味なルール変更を行ったりしています。いよいよワールドカップ(以下W杯)も近付いて来ましたので、このFIFAランキングに対してW杯の最終成績がどうなったのか、という点についてまとめてみました。

対象とするW杯は参加が32チームとなった98年大会からとしました。W杯は6月にスタートしたケースがほとんどですので、そのW杯イヤーの5月発表のFIFAランキングを抽出しました。

W杯の最終成績を縦軸(上が優勝)に、5月のFIFAランキングを横軸(左が1位)にして散布図を作成すると下図のようになりました。縦軸で微妙にズレているのはPK戦や延長により勝敗が決まったものです。グループ敗退は勝点によってズラしており、一番下は3連敗したチームです。(ランキングの素となるポイントで作っても良かったのですが、過去のポイントは桁が違っていたりしたので順位にしました)

98以降W杯成績とFIFAランキング

W杯最終成績と大会前FIFAランキング

当然のようにFIFAランキングが上位の方が好成績に終わる割合が大きいです。98年大会以降、優勝した中で最もFIFAランキングが低かったのは98年大会のフランスで18位。ここ2大会はFIFAランキング2位のチームが優勝しています。ちなみに1位のチームは98年大会のブラジル以降決勝に勝ち進んでいません。

FIFAランキングが低い中で成績を残したパターンを洗い出すと、ベスト4で最もランクが低かったのが02年大会の韓国で40位(韓国以外だと98年大会のオランダが25位)。ベスト8だと06年大会のウクライナが45位。グループステージを突破した中で最も低いのは98年大会のナイジェリアで74位でした。

逆にFIFAランキングが1位でも02年大会のフランス、前回のスペインのようにグループステージで去ったケースもあります。また98年大会前でFIFAランキング11位だったアメリカ、12位の日本は全敗で終わりました。上記のようにレアな事象が98年大会に多いことを考えると、当時のFIFAランキングはあまりいい数値ではないようですね。

FIFAランキング20チーム毎にW杯最終成績をサマリー化すると下表のようになりました。(「61位以下」のサマリーは61-120位までで計算しています)

98以降W杯成績とFIFAランキング

W杯最終成績と大会前FIFAランキング

表は予選敗退も含めた数値とW杯出場チームのみで計算したものを2つ用意しましたが、いずれもFIFAランキング20位以上のグループが突出していることが分かります。これらのチームはグループ分けの際に潰し合いにならないようルール化されていることもありますが、それでも約3分の1はベスト8に残っており、下位グループとの違いは鮮明です。

21-40位、41-60位は予選突破チームは前者の方が圧倒的に多いのですが、W杯出場チームに絞るとどちらかいうと後者の方が良い成績を収める傾向にあります。この辺りのチームはあまり差がなさそうです。61位以下のチームは参加チームがさらに減り、グループステージ突破も先に述べた98年大会のナイジェリアのみとなりました。

さて、今大会はどうなるのでしょうか。今大会参加チームのFIFAランキングは下表となっています。すでに6月分も発表されていますが、上のデータは5月発表のデータを使用していますので先月分も併記しておきます。

今大会参加チーム

61位以下のチームはほとんどW杯に出ないのですが今回は3チームいます。ちなみに2010年大会も3チームいましたが、いずれもグループステージは突破できていません(北朝鮮、ニュージーランド、南アフリカ)。またFIFAランキング1位が21世紀から決勝に到達していないわけですが、今回の1位はドイツということで、彼らがどうなるかも注目です。

これらのデータだけだとFIFAランキング下位のチームにとっては厳しい戦いが待ち受けているわけですが、現在は昔と違って試合の映像やデータが割と容易に手に入る時代になっています。自チームと対戦相手を入念に研究し、それを選手に落とし込み相手の短所と自チームの長所を重ねることができれば、FIFAランキング60位近辺のチームでもいくつかの勝利を挙げることは可能でしょう。ただ、この「研究と実践」を強豪国がやるとどうなるのか。おそらく上位チームと下位チームの差はさらに開くことになるでしょう。2年前にEUROとコパアメリカがほぼ同時期に行われましたが、長くサッカー界をリードしてきた南米と欧州ですら差が生まれつつある印象がありました。今回のW杯は選手のみならず、チームを支えるスタッフやサポートする協会の仕事ぶりも反映されるような大会になるのではないでしょうか。

Soccer D.B. : FIFA ワールドカップ

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